RANDONNEUR PLUS PROJECT

GWで総距離1,861km 海南300+中部1000を自走で繋いだウルトラロングの旅

プロローグ:RAAM前、GWでウルトラロングを組む

 RAAM出走約1か月前、大型連休ということもあり、ウルトラロングの旅に出た。RAAMでほぼ有休を消化するため、ウルトラロングな練習をするには、GWをつなぎ合わせるのが一番だ。

 今回は和歌山県で開催されたBRM429近畿300㎞海南と、愛知県のBRM502中部1000㎞山葵に出場し、その間をすべて自走でつなぎ合わせることにした。もっと長い距離も考えられるが、長すぎるとRAAM本番までに調子が整えられない。そのため距離はあえて抑えつつ、ちょうどブルベの間に名古屋市で用事が入ったこともあり、2つのブルベをつなぐ構成とした。今回の合計距離は1,861㎞になった。

海南300へ自走スタート:大台ヶ原とペース管理

 最近の仕事の忙しさもあり、計画は崩れがちだった。仕事が終わってすぐに帰宅して準備する。短い睡眠時間でも走れることを実証すべく、4月28日23時に海南市へ出発した。96㎞を4時間半かけてスタート地点に到着。まもなく始まったブリーフィングを聞き、まだ暗がりの中を再出発した。奈良県では有名なヒルクライムスポット大台ヶ原の約1,600mを目指した。

 とても速い方がいて、ついていけないわけではないが、焦ってはいけない。この工程は自走スタート地点、海南300に参加し、その後さらに自走で名古屋市まで向かう構成だ。ここで無理をすると後半に確実に響く。登りでは踏みすぎず、一定ペースを守ることを優先した。しかし、大台ケ原に到着するが、誰にも会わない。どこに行かれたのか。

 今年は少し肌寒いが、天気は良好。アームウオーマーとウインドウベストを追加で着てから登ってきた道を下る。登ってくる他の参加者との差もあまりついておらず、速い。吉野、大宇陀に寄って海南に戻った。なんとも順調で、余力を残すことのできた300㎞だった。ペースを守り、補給もこまめに入れ続けたことで、終盤まで余裕を維持できた感覚があった。

名古屋まで230kmナイトライド:雨予報と計画変更

 快適な300㎞はここまで。夜間の走行が始まる。翌朝10時までに名古屋市白天区にたどり着けばよいので、約230㎞を17時間かけて走ればよい計算だ。しかし、走行中に何気なく天候を確認すると雨予報に変わっていた。4月30日はもともとは晴れ予報だったが、雨が徐々に前倒しされ、とうとう午前中まで入ってきた。濡れた姿で用事をするわけにはいかないため、雨が降り出す前の午前8時に現着するように変更した。

 無理せずゆっくりと和歌山県、奈良県、三重県と、ほぼ最短距離で突き抜けていく。眠くなれば仮眠するつもりだったが、体力的にも寒さ的にもまだ余裕があり、結果的に強い眠気は来なかった。身体も動き続けられる状態だった。三重県に入り、閉店前のすき家で牛丼を補給した。早朝でもシャワーが浴びられ、洗濯もでき、無料の食パンや飲み放題まで付いている、ランドナーから愛されてやまない快活CLUBに入る。ここで仮眠を取る予定だったが、漫画の最新刊を見つけてしまい、結局仮眠せずに再出発した。予定の用事をこなし、ホテルにチェックイン。ここから40時間をかけて回復に専念した。

回復とリスタート:中部1000へ

 5月2日8時に中部1000をスタート。愛知県、岐阜県、長野県、群馬県、埼玉県、東京都、山梨県、静岡県を通り、再び愛知県へ戻るという、関西在住者には特にワクワクするコースだ。前半は1,500m級の峠が続き、後半は500m級がいくつかある程度。前半がハイライトになる。中部ブルベはハードと言われることもあるが、そのハードさこそが魅力であり、つい参加してしまう。途中には10~20%の登りも容赦なく現れるが、不思議と楽しく、笑顔になっていた。過去にはコース設計者に登坂中悪態をつくこともあったが、近年は嬉しく思って感謝してしまう。

中部1000前半:峠とランドナーの夜

 初日の夜、軽井沢付近で反射ベストを着たランドナー達が100名ほど通り過ぎていった。RM千葉1300の参加者とコースが被っていたようだ。声の届く範囲で、下りながら声をかける。初日の夜ということもあり、多くの人が返してくれた。先頭は上田市付近にいたはずだが、最後尾は松井田町まで下りきった場所にいた。ブルベでここまで差が開くものなのかと驚いた。

2日目のハイライト:富士山・渋滞・豪雨

 2日目のハイライトは3つ。
 まずは山中湖からの富士山。朝方から登り始め、到着するころには晴れ、今回一番の景色となった。通過時間によっては全く違う状況だったようで、タイミングの重要さを感じた。

 次が伊豆半島の渋滞。アップダウンの厳しさで知られているが、それ以上に印象に残ったのは自動車の多さだった。半島全体が渋滞しているのではないかと思うほどで、走行のストレスはこちらの方が大きかった。

 最後が雨。予報通り富士市に入ってから降り始め、静岡市内では向かい風も加わった。レインウェア内にも浸水が始まり、コインランドリーへ退避。この頃にはすでに豪雨だった。チェックポイントであるわさび発祥の地を夜中にこの天候で通過するのかと疑問に思い、じゃらんのアプリを確認すると、高額なホテル以外は満室。GWなので仕方ないと考え、ジャージを乾燥機に入れて再度確認すると、東横インが1部屋だけ空いていた。5分後にもう一度確認し、まだ残っていたので、システムの罠と思いつつ、ゆ~っくり決済まで進めると、そのまま予約できてしまった。これはもう休むしかない。ホテルに入ることにした。

再出発と試練:12時間の向かい風

 翌朝、天候を見ながら再出発のタイミングを探る。完全に止む必要はなく、レインシューズカバーで耐えられる雨量を基準に判断し、5時半にスタート。強風の中、有東木のチェックポイントだけ雨に当たったが通過した。

 問題はここからの向かい風だった。この日は西風。つまり愛知県でゴールし奈良へ帰る自分にとっては、最後まで向かい風になる。時速12~13㎞しか出ない状況が続く中、約12時間走り続けた。ケイデンスを落としすぎず、淡々と回し続けることに集中し、補給のタイミングを崩さないことで消耗を抑えるよう意識した。これも次につながる練習だと考えると、不思議と嫌な気持ちはなかった。三重県の通過途中で見かけた24時間営業のラーメン屋を目標にし、それを楽しみに進み続けた。

ゴール後も終わらない:ラーメンと180km

 ゴール後、余韻に浸ることなく再出発。残りは180㎞。予定していた河川敷ルートではなく、市街地を抜けるルートを選択した。風は多少弱まったものの、河川敷の風はやはり強い。それでも下方修正した予定通りの時間にラーメン屋へ入る。北海道のコーンバター味噌ラーメンが食べたかった。中部1000ではコンビニで甘いデザートばかり食べていたため、ここでも甘い方向へ嗜好が変わっていたようだ。普段はとんこつばかり食べるが、味変が起こっていた。

想定外の寒さ:南山城村での装備の重要性

 この先には快活CLUBが3か所あるため、眠くなれば仮眠するつもりだった。しかし亀山市まで眠気は来ず、そのまま登坂を開始。標高350m程度なので問題はなかった。むしろ想定外だったのは寒さだ。南山城村では最低気温3度。標高は高くないが、今回一番の冷え込みだった。ここで、なんとなく持ってきていたモンベルの腹巻が役に立った。終盤での体幹の冷えを防ぎ、明確に消耗を抑えてくれた。

エピローグ:RAAMに向けて見えたもの

 日が昇ると寒さも落ち着き、朝方に自宅へ無事帰着。今回の走行で、長時間行動・悪天候・向かい風への耐性は確認できた。本番のRAAMでこれがどう活きるか、楽しみである。