RANDONNEUR PLUS PROJECT

nomu’s VIEW RAAで活躍した機材たち タイヤ編

Last Updated on 2021年3月28日 by Yutaka MORIWAKI

メカニックとしてチームに参加している野村です。

RAA、RAAMだけでなく、落合氏の日々の通勤やエクストリームなロングライドで酷使されている機材たち。少しでも早く目的地へ達するための機材の選択は、速さだけでなくトラブルの発生するリスクを抑える事も考慮しなければいけません。今回は私が推薦して、その効果が発揮されたアイテム、タイヤを紹介したいと思います。

IRC ASPITE PRO RBCC

皆さんはお気に入りのタイヤはありますか?私の職場でもあるサイクルショップベックオンで人気のタイヤと言えば、パナレーサー、コンチネンタルでしょうか?特にコンチネンタルのハイエンドモデル、グランプリ5000は大人気で、イベントの参加された方の機材をチェックしていると、目にしない事はありません。

もちろん私も使用した事はあるのですが、グリップ力とレーシングタイヤに相応しい走りの軽さを備えながら、パンクへの耐性と5,000kmは十分に走行できる耐久性があり、あらゆる状況下でライダー頼りになるタイヤだと思いました。

 

そんな中、私が落合氏の用途を踏まえて薦めるタイヤは、IRCのハイエンドクリンチャータイヤASPITE RBCCです。まずは商品の情報をご紹介したいと思います。

①サイドカットに強い

クロスガードと呼ばれるパンク防止の層がタイヤの端から端までを覆ていることで、サイドカットに強い構造になっています。パンクについては手慣れた方なら予備チューブと空気入れさえあれば恐れる事はないかもしれませんが、サイドカットだけは避けたいですよね。そうそう起こるものではありませんが、チューブの交換では対応できない場合もあり、即リタイアに直結する事もあるので注意が必要です。上記のような構造のお陰でASPITEはサイドカットに強く、私もこのタイヤがリリースされてから長く使用していますが、サイドカットを経験した事はありません。落合氏も昨春からこのタイヤを使用していたのですが、RAA本番前の打ち合わせで、「予備ホイールはあるけれどパンクはしないものと考えてもよい」というコメントがでるくらい耐パンク性については信頼しているようです。

②ウェットな路面で滑りにくい

IRCのハイエンドタイヤの中には、RBCCという米ぬか由来のコンパウンドを使用したモデルがあります。この素材のおかげであらゆる路面でのグリップ力が向上しています。特に雨に濡れたウェットな路面での効果はてきめんで、ASPITE RBCCも発売当初はASPITE WETという名称で販売されていました。RAAMに向けての機材を準備するにあたり、落合氏も色々なメーカーのタイヤをテストしたそうですが、雨の降る中での信貴山へのクライム時に、ASPITE RBCCが一番滑らなかった、というのが決め手になったとの事です。ツーリング、ロングライド、ブルベ、距離が長くなればなるほど雨に降られながらの走行は避けれなくなります。絶えず変化する路面状況でも安定した走行が可能なタイヤは、長距離をストレスなく走り切るのに役立つはずです。

 

さて、ここまで読み進んだらIRCのタイヤを使ってみたくなりましたか?せっかくの機会なので、少し気になる点もお伝えしておきます。

・空気圧の設定は大切

タイヤの全面を覆うように配置されたクロスガードのせいか、タイヤのしなやかさによる細かい振動の吸収は苦手な印象です。体重が50kg前半の私の場合は、700×26Cでは推奨空気圧6-8を下回って5気圧で走ってちょうどよいバランスと感じています。(これによってリム打ちパンクのリスクが上がりますが…)700×24Cを常用している落合氏曰く、新品の状態では固く感じるが、200kmほど使用すると馴染んでくるそうです。

・タイヤの寿命について

IRCのASPITEはトレーニング、ロングライドもこなせる寿命(メーカーの推奨で5,000km)はあるのですが、ASPITE RBCCについては3,000kmを超えたあたりで摩耗が目立ち、新品の頃のグリップ力が陰ってくるように感じます。それでも5,000kmくらいは使えるのですが、タイヤとして”美味しい”時期は3,000kmほどまでと想定しておくと良いと思います。

 

今回は落合氏が使用する機材のうち、タイヤについて紹介させていただきました。次回はチェーンオイル、ケミカル類をレポートしていと思います。