挑戦は終わらない ― Japanese Odysseyの先に
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
ジャパニーズオデッセイが終わって通勤を除く練習を再開していますが、いつも通り調子はすこぶる悪いです。
完全回復まで少なくとも1ヶ月はかかると見ていますが、調子が悪いからといって手を抜くつもりはありません。
目指すのは来年6月、RAAM(Race Across AMerica)への道。
焦らず、怪我を避けながら、日々トレーニングに取り組んでいます。
そんな中、ジャパニーズオデッセイのブログを進めていますが、10月31日に参加した「近江八幡1000」のブログがまとまりましたので、ご報告いたします。
■ 悩ましい天候(スタート前)
自宅から約80kmを自走し、10月31日24時(=11月1日0時)スタートを予定していました。
しかし天候が怪しく、当日は雨予報。
どんなに優れたレイングッズでも、雨のスタートは気持ちが沈むもの。
そこで計画を変更し、10月30日に前日移動することにしました。
結果は大正解。
当日は23時には雨も上がりました。
路面が怪しかったためレインシューズカバーで対策して出走しました。
■ 滋賀から和歌山へ
単独でスタート。
順調に距離を重ね、最初のフォトチェック、奈良県東大寺の転害門まで約75kmを2時間50分で走破。
幸先の良いスタートとなりました。
次のチェックポイントは、95km先のローソン伊太祈曽店。
22~23時スタートの参加者に応援を受けながら追い越していくうちに、夜が明けました。
夜間スタートは生活習慣が乱れるため得意ではありませんが、仲間の存在で睡魔は皆無でした。
ローソンでは、最近の定番“ジャージの中の胸側に大量のパン”を詰め込み再スタート。
(意外と温まるし、大好きなパンを道中食べられるのです)
次のコンビニは約300km先の近江八幡。
そのため大量に食料を購入しました。
ちなみに、バックポケットにも大量の補給食入っています。
なぜかくじ運が良く、紅茶2本やチョコ2袋が当選。
小さな幸運に背中を押されます。
雑賀崎灯台のフォトチェックに立ち寄り、和歌山の端を折り返します。
奈良の吉野、宇陀、榛原と、何度も通ったことのある道を辿りながら進みました。
宇陀にある八咫烏の神社には初めて立ち寄り、足三本のシンボルを前に気持ちを新たにしました。
(サッカーファンです。)
急ぎ足で伊賀上野城を横目に撮影し、あっという間に滋賀・甲賀市へ。
378km地点のコンビニチェックは14:28。想定よりも速い展開。
そのため主催者が準備している、19時〜のドロップバッグオープンはパスするしかありませんでした。
■ 雨との駆け引き
近江八幡のコンビニを出発すると、急に冷たい風。
空には雨雲。
雨雲レーダーには無数の円が広がり、嫌な予感しかしません。
「避けられても避けられなくても突っ込もう。止まると身体が冷える。再スタートするメンタルに影響する。」
そう覚悟を決めて進みました。
多賀大社直前で降り出した雨は、断続的に強まったり弱まったり。
虹が現れる瞬間もあり、自然の気まぐれに翻弄されながらもペダルを踏み続けました。
最大の警戒ポイントは栃木峠。
斜度や路面状況は悪くないですが、20㎞も続く登りで標高500mを越えます。
建物も雨宿りの木陰はありません。
運頼みでしたが、幸いレインウェアを必要とするほどではありませんでした。
夕暮れになってしまい動物への警戒がより必要になりましたが、無事に峠を越え、福井県へと入ります。
■ 福井から北陸沿岸へ
福井県に入り、越前市、鯖江市、福井市を抜け、永平寺町から山中温泉へ。
雨脚が一層強くなり、レインウェアを追加しました。
登りは汗をかくので着たくないのですが、標高200mだけも濡れた状態で下るのは危険な行為でした。
今回の雨はほぼ冷たい雨ばかりで油断出来ません。
脚は動かしていることもあり、寒さを感じていませんでしたので膝の部分だけはのままで走りました。
雨が降っていない時は、浮腫み対策で使用しているR×Lのレーシングゲイターを寒さ対策で使っていましたが、雨ではシューズカバーが浸水の可能性があるため、シューズカバーのベロトーゼの中に折りたたみました。
それでも下部のクリート部分からの浸水してくる可能性はありました。
ゴール後、ベロトーゼを脱ぐと、全体的に薄っすらと濡れていました。
濡れていた感じがしなかったのですが、足のふやけがなく、水分量はそれほどありませんでした。
ここまでグロス25km/hを維持。
安宅住吉神社で「ATAKA」の写真を撮り、北へ進路を変えると、暴力的な向かい風が待っていました。
(私は単独なのでAAAです。)
沿岸沿いを100km。
絶望的な減速。
思わずコンビニで3,000円も買い込み、体を休めました。
何を買ったのか覚えていませんが、次にコンビニ寄ったのは越前海岸のチェックポイントでした。
近江八幡から越前海岸までの間の475㎞で1ヶ所だったので、金額は考えなくて良いと思い、遠慮なしに買っていました。
■ 試練とご褒美
風は次第に弱まり、約5時間で沿岸往路区間をクリア。
雨も止み、レインウェアやレインシューズカバーなど抵抗のあるものを脱げたことで気持ちも軽くなりました。
しかし、折り返し地点では再び風向きが変わり、復路は強烈な向かい風。
それでも進むしかありません。
夜明けにかけての暴風にも耐えていると、参加者1人からの声援がありました。
往復のATAKAまでは2人と出会ったのです、そのうちの1人は私がTTポジションで小さくまとまっている中を、目立つように声をかけていただきました。
「声援は力になる。」
その後、何度も暴風雨やトラブルにも見舞われましたが、853㎞越前海岸のチェックポイントに到達。
14時、予想より遅れていましたが、ここで風が追い風に変わりました。
待ちに待った自然からのご褒美でした。
だが、その喜びも束の間。気比神宮手前から再び雨。
全身ずぶ濡れになり、福井県から滋賀県に戻った深坂峠の下りは、震え上がる寒さでした。
チェックポイントのセブンイレブン近江塩津でずぶ濡れの軍手を捨て、マグマカイロとホットコーヒー(マシーンから抽出される熱い方)、軍手を買い、バナナやチョコレートでエネルギーを作り出します。
ここまで封印していたレッグウォーマーだけは膝の抵抗を無くすため、投入を見送りました。
小康状態になったのを見計らい、再出発。
短時間の休憩で体を戻し、登りで徐々に回復。
フォトチェックを2ヶ所通過し、ゴールへと向かいます。
ほぼビワイチと同じコースを走るため、平坦と言っても過言ではないはずです。
メタセコイア並木のチェックを終える頃には、雨も風も止んでいました。
まるで試練を乗り越えた者を称えるかのような穏やかな空。
そしてついに、近江八幡にゴール。記録は44時間17分。
ゴールでは主催者が待っていてくださいました。
素晴らしいコース設計、そして過酷な環境。
そのすべてが走る楽しさを体験できる1000kmでした。
数々の試練を経て完走できたことは、また一歩、私の経験を積み上げてくれました。
自然の厳しさも、人の温かさも、自分の弱さも見ることができたブルベでした。
この経験を糧に、再び挑戦を続けます。
照準は、2026年6月・RAAM。
























