日本縦断ギネスチャレンジ Vol.5 北海道ステージ
Last Updated on 2022年1月31日 by TONSHONaoto
ライダーの落合です。
ゴールしてからいくらか経ってしまいましたが、投稿します。
まずは、RPP日本縦断ギネスチャレンジに参加、協力、声援頂き誠にありがとうございました。
今回のチャレンジは色々な経験をすることができました。
全てを語りつくせないほど、濃厚な136時間半、オンライン会議やゴール後を含めると何時間になるかわからないほど長期間になりました。
今回はスタートからゴールまでをライダー目線で、いつものようにお届けします。
既に掲載されているシクロワイアード、ファンライド、ギネスクルーのブログ(ばっきーさん、BECKON)と共にお楽しみください。
DAY5
コースはこちら 函館~ゴール
走行プランは
函館から宗谷岬は600㎞もありません。
通常のブルベでは、600㎞は24時間との想定ですが、毎回北海道は魔物が棲んでいます。
信号は少ないはずですが、グロス平均25㎞/h、24時間を切ったことがなく、26~28時間かかってしまいます。
タイムが遅くなる決定的な要因は毎回、風向きや天候です。
スタート前のゴール予定は、134時間としていましたが、フェリーからの出発時は130時間~132時間にしました。
長万部からは内陸に入り、稲穂峠を越えます。
石狩市以降は沿岸ではなく、初めての内陸を通るルートを選択しました。
その他は1度走行したことのあるコースでした。
天塩からは、風向き次第で沿岸か内陸かを決めますが、想定としては、内陸にしました。
函館港への到着は、午前9時でした。
牛丼、お風呂以降は下船の放送まで、一度も起きませんでした。
同室で寝ておられたサポートクルーの頓所さんも、寝過ごしていました。
寝過ごしても、インタビューしてくるライター魂には、感心しました。
待ち望んだ晴天です。
今回初登場の追い風もプラスされて、加速します。
青森の激走で、少し筋肉痛が出ましたので、追い風は助かります。
長万部町に到着するころには、みるみる雲行きが怪しくなります。
天候の悪化に今度は寒さがプラスされました。
長万部町から内陸、北西へ方向転換すると、冷たい雨が降り出しました。
晴天も追い風もここでお終いです。
ここからゴールまでは、曇りと雨、横風や向風が、大半を占めることになりました。
停車したサポートカーでレインウェア等をフル装備します。
補給もして、25分の停止でしたので、追い風貯金が減りました。
フル装備の弱点は、補給食が入っているバックポケットに、アクセス出来ないことでした。
停止して補給してしまうと、10分はかかりますし、高カロリーなものを食べていないと、補給が追い付かなくなります。
ウルトラロングでは、補給食がいつも以上に必要な上に、空腹感が感じられなくなっていますので、気づかないうちにハンガーノックになってしまいます。
そこで考案したのが、ボトルにお菓子を詰め込むことでした。
この頃には嗜好が変化しており、甘いものを欲するようになっていました。
糖分が多く、高カロリーなお菓子を選択することにより、ハンガーノックに陥ることを未然に防ぎました。
ただし、この補給方法は決して良い選択ではなく、胃への負担がありましたが、ここまでは悪化しておらず残り1日程度、リスクを背負っても良いと思いました。
余市のセブンイレブンに到着しました。
なぜか歓談に参加してました。
タイムアタックしているはずなんですが・・・
石狩市のコンビニでは、ペンライトを持って、応援する集団に出迎えられました。
アイドルかよって突っ込まれますが、観客側も反射ベストを着ている所から、ブルベのつわもの感が伝わってきますね。
サービス精神は旺盛ですので、30分停車しました。
ほぼ補給とレインウェアの入れ替えで控室という名の控室にいましたので、ファンの待つステージという名のコンビニ横に立てたのはほんの一瞬でした。
夜中に奇妙な体験をしました。
自分が旗の横断幕になったかのように、ポールを両手で掴んで、横向きに揺れる人がいて、何か叫んでました。
「おちあいさーん」って聞こえてきましたけど、気のせいであってほしいです。
別の場所でも、「温泉どこですかー!?」と大声で叫んで、追いかけてくる人もいました。
奈良県の十津川温泉と、北海道の新十津川を間違えて来た人、だったと思います。
奇妙な写真を載せておきます。
DAY6 最終日
奇妙な人に見送られ、120時間が経過し、雨竜町まで到達しました。
2319㎞、グロス平均は19.3km/h、45分ほどの貯金がありました。
ギネス縦断ルールに則っていない、コースも違うので距離が短い、天候に恵まれていたという理由で、比較は出来ませんが、BAJの日本縦断では118時間54分で2400㎞を走破しました。
サポート付きとはいえ、今回のように天候が恵まれないことが、いかに厳しいかがわかります。
”変なおじさん”効果は刺激的ではありましたが、1時間ほどで集中力が続かなくなりました。
午前3時前、予定より少し遅れて、サポートクルーの吉田さんの車で仮眠に入りました。
起きてビックリです。
身体が動かない状態になっていました。
補給食が足りず、体温が低下し、外の気温に耐えられなくなっていました。
頓所さんに、暖かいものがないと動けないと伝えて、暖かい飲み物の購入に走っていただきました。
止まった場所がコンビニではなかったため、自動販売機を探さなければならないという手間が発生しました。
頓所さんは、相当苦労して見つけたようです。
20分程ロスしてしまいました。
サポートカーに収容されていると、そのサポートカーは動かせないため、休む場所も考える必要がありました。
おびら町の手前、留萌市のコンビニで夜が明けました。
ここでサポートクルーから、指令が出されました。
”残り200㎞を8時間で走り切れ”
青森での激走がありましたので、信頼をされたのでしょう。
私も同意してしまいました。
その後、1時間のグロス平均が26.5km/h、27.5km/hと順調に上がっていきます。
留萌市からは暫く無風でしたので、速度は上がりました。
雨にも負けず風にも負けず・・・・・
すぐに負けました。
雨のため、レインウェアを着込みます。
風のため、減速しました。
サポートクルーに「(この条件下では200㎞を8時間は無理なので)やめたい」と口走りました。
そうしたら急に道端で、優しくされ出して、励まされました。
”日本縦断ギネスチャレンジをやめたい”と勘違いされたようでした。
前日の夜にも、急に「(北海道の何も変わらない道に)飽きた」と口走ってしまいました。
そういえば、その時も急に道端で、井戸端会議が始まり、優しくされました。
ゴール後に見ましたが、留萌がスタート地点でも、この激しい向かい風の中、200㎞を8時間で走るのは厳しいでしょう・・・。
宗谷岬に近づくにつれて、雨と風はさらに強さを増します。
グロス平均は16㎞/hにしかなりません。
朝方、オンタイムになっていましたが、この時は借金が膨らむばかりです。
あともう少し。
どんなに雨風が強くても、もう進むしかありません。
道の駅てしおで、最後の”J1タイム”を終え、BOOST SHOTを摂取します。
これで宗谷岬付近から始まる、YouTube ライブにも臨めます。
「あと100㎞になった気持ちを」と聞かれ、
「もう終わりでいいんですよね。てか終わりにしましょう」
まだ走れますが、もう今日は走りたくないんです。
だって、全然進まないから・・・。
雨と風が弱まる気配はありませんでした。
メイン地図として使用した、Garminは充電が持ちません。
R250 防水トップチューブバッグ レギュラー グレーに充電器を入れて、受電させます。
今回のような天候では完全防水が必須で、R250 防水トップチューブバッグは丸くて細いトップチューブでも対応可能でした。
硬さやベルクロの形状が工夫されて型崩れせず、安定していていました。
明るいうちに宗谷岬に到達したいと必死になりますが、天候が許してくれません。
どんなに進むのが遅くても、耐える走りをするしかありませんでした。
そしてついに、佐多岬を出発してから、136時間30分で宗谷岬に到着しました。
感動のゴールといきたいところですが、強風過ぎて、クルーの言葉もほとんど聞こえません。
誘導されるがまま、写真も早々にサポートカーに引き上げました。
なんだかわからないまま、メインカーに収容されます。
何も打合せしていませんでしたが、インタビューが始まります。
段々とゴールできた実感が湧いてきます。
もしかしてこの先、追い風なのでは???走ったら楽しいのでは???と思い始めます。
元々予定していたゴール時間は134時間、15時頃のゴール予定でした。
残念ながら2時間30分遅れてしまい、真っ暗な中でのゴールになってしまったため、私のリクエストで翌日、写真撮影です。
この日も強風でしたが、雨が降っていませんでしたので、”正装”で撮れました。
翌朝、ホテルにやって来たサブカーは、前輪がパンクしていました。
RAAMでもパンクは覚悟しておけ、と言われています。
路肩に止めると、パンクのリスクが高まるということでしょう。
行きは新幹線で、R250 縦型軽量輪行袋 ブラックを使用しました。
帰りは、QBICLEバイクポーターを使って、稚内から伊丹空港まで安全に帰ります。
思い出がぎっしり過ぎて、重量オーバーでした。
家に帰るまでが、日本縦断ギネスチャレンジと言いたいところですが、申請して、認められるまでがチャレンジです。
現在、Fastest time to cycle the length of Japan north to south (male)のギネス記録を申請中です。
認定されれば、当HPでお伝えいたします。
RPPの目標は、RAAMの表彰台です。
今後とも、応援よろしくお願いいたします。